鎖骨骨折体験記

整復治療編

レントゲン写真
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2000.5/17(水曜日)

朝6:00頃に目が覚めました. 背中がこわばってて,左肩まわりは打撲風の痛み.
実はこの日は私の35歳の誕生日なのでした. そして運転免許の更新期限の日でもあったため, 免許更新のために会社は午前中有給休暇にしてありました. しかし,とにかく早めに整復治療を受けたい ので,免許証はしょうがないから一旦失効させて,6ヶ月以内に 失効手続きを取る ことにして,病院に行こうと決めました. それでも,昨晩の病院だと,電車に乗って2時間近くかかるだろうし とても午後に出社できるとは思えません.これまでにも何度かお世話になっている近所の整形外科に行くことに 決めました. そこで,その病院の診察券を確認すると水曜休診!!
う〜む…,近くの別の整形外科を探すのも面倒だし,保証金や健康保険証のこともあるから,いつかは 昨晩の病院に行かなければいけないし…,いいや1日有給休暇に切り替えて,予定通り午前中に免許証更新して, その後で昨晩の病院に行こう. 痛みもたいしたこと無いし.

ここで注釈. ここまで読まれて,「骨折した割には随分落ち着いてるな〜,話作ってるんじゃない?」等と 思った方もいるかもしれませんが,鎖骨の単純骨折ってのは実際大したこと無いし,私が大好きな “ディック・フランシス” の小説で,登場人物達が頻繁に鎖骨を折っては何事もなかったように行動して いるので,「鎖骨骨折なんて日常茶飯事」的な刷り込みが出来てしまっていた様です.

さて,二俣川運転免許試験場での 免許更新は滞りなく済みました. 鎖骨バンドを着けたままで憔悴していた割には 免許証の写真映りが(珍しく)まともだったし,時々電車の振動が鎖骨にひびくけれど,電車が空いていて, 左側(骨折側)に人がいない席に座れたし,気分上々で溝の口の病院に移動します.

病院は混んでいて結構待ちましたが,前の晩とちがって,待たされるのも全然気になりません. 一旦診察室に 呼ばれた後,鎖骨バンドを着けた状態でレントゲン撮影. ちょっとズレが大きいように見えます. 医師によると.
手術入院しても傷害保険があるから黒字になるし,きれいに直るのも魅力です. しかし,ギブスで固定すると筋力の低下が大きそうだし,日常生活がバンド固定より不便なことは目に見えています. それにせっかく免許更新できたのにギブスしてちゃ運転は無理そうだし…
気持ちはかなり保存治療に傾きます. ただ,レントゲン写真で見るズレが気に入らないので, とにかくもう少しズレを小さくするように整復してもらった上で鎖骨バンドで固定しなおし, また1週間後にレントゲン写真を撮って,それを見て手術するか保存治療で行くか最終決定することにしました.

それでは,整復治療です.
一旦鎖骨バンドを緩め,私自身は精一杯胸を反らせます.さらに看護婦さんが片方の膝で私の私の背骨の辺りを 押しながら,両手を私の肩にかけて,グイグイと後ろに引っ張ります. 同時に,医師が私の鎖骨をさぐりながらバンドを 締めていきました. これがかなり痛かった. おまけにこの処置の後,急激に 気分が悪くなって,「骨折すると気分が悪くなる」と言われる「気分が悪くなる」というのがどういう状態かが よ〜くわかりました.
貧血の気分の悪さに似た感じで,治療が終わった後,30分くらいは病院の待合室の椅子から動く気になれませんでした. そのまま病院の待合室に住み着くわけにも行かないので,気力を振り絞って溝の口の駅に向かいます. 恐る恐る 歩いてるにも関わらず,一歩一歩,足を地面におろすと衝撃が鎖骨に伝わります. これが骨折直後の痛みより痛いのには 参りました. 病院に行くまでの楽観的な気分が,一歩毎に落ち込んでいきます. 気持ちがヨワヨワになって行くのが はっきりとわかるんですが,それを自分でコントロールできません. 肉体的痛みが精神状態にこれほどの影響力を 持っているとは思いませんでした.

さっさと部屋に帰って,おとなしく寝てしまうのが体のためには一番だと思いましたが,精神的に弱っていて 一人でいたくなくて,電車で彼女の家へ向かいます. 彼女がケーキを買って帰ってきてくれて,2人で簡単に料理をし, 私の誕生日を祝いました.
なんと言うか,ともかく一生思い出に残る誕生日になりました.

療養日記編 (その1)に続く…

前回分 救急治療編
そもそもの発端 事故編
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