鎖骨骨折体験記

事故編

レントゲン写真
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2000.5/16(火曜日)
この日,予定外に仕事が早く引けました. 翌日は運転免許の更新のために午前中半日休暇の予定. これは多少夜遅くまであそんでも問題ないだろうと考えて,以前からいつか行こうと思っていた 屋内ゲレンデSNOVAに行ってみる ことにしました.
SNOVA(スノーヴァ)というのは,吸水性ポリマー(紙オムツや砂地の保水材)を冷やして作った 人造雪を用いた屋内スノーボードゲレンデで,ノーストックなら短い板での滑走もOKという施設 です.
ちなみに下の写真が私の「短い板」. どこの板か知ってますか?
短い板

本題に戻ります. このスノーヴァ,とても小さいスロープですが,ハーフパイプと テーブルトップがあって,オフシーズンにはけっこうお客を集めているようです. フランチャイズかチェーンか知りませんが,ここ何年かでだんだんと施設数を増やしていて, 2000年5月現在,全国に8つのスノーヴァが存在します. (詳しくはSNOVAホームページをご覧ください.

職場から一旦自宅に戻って,ウェア等を車に積み込みます. 私は横浜の南の端に住んでいるため, スノーヴァ新横浜スノーヴァ溝ノ口R-246の 二つが大体同じ距離になります. カーナビで検索をかけると,有料道路を使うと溝の口の方に若干早く 着けるようなので,そちらに行くことにしました.
大体1時間半かけて21:00ちょっと前に到着. 2時間の時間制料金で23時まで営業のはずだから ちょうどいいかな? でも広い駐車場に車はごく少数. ほんとうに営業しているのか心配になりながら, 駐車場で手早く着替えて入場. ちゃんと営業してました.「怪我しても文句言いません,etc.」という誓約書に サインして,料金を払って,「次回からお使い下さい」って500円割引券2枚 もらって,ゲレンデへGO!!
っと思ったら…… 受付から窓を通して見える,ゲレンデにあるテーブルトップの様子が ちょっと変です.
ランディングがちょっと歪んでいて,その上に布(の様に見えるもの)が被せてある…
慌てて受付スタッフに
「今日,テーブルトップがメンテナンス中なんですか?」と聞くと
「あっ!心配しないで下さい. あれはなんていうか衝撃吸収用です. 雪よりだいぶ柔らかいはずですよ」とのこと
あんな小さなテーブルトップにそんなもの〜と半分感心,半分あきれながら気を取り直し,レンタル窓口でヘルメットを借りて(無料),2重扉を抜けてゲレンデへ.

ゲレンデはけっこう寒い. ウェアの下はTシャツ1枚なんで,だいじょぶかな〜と心配になります. しかし経営状態が 心配になるくらい空いているので,待たずにどんどん跳んでれば暖まるだろうと決め付けて,ゲレンデ脇の ムービングベルトへ. ムービングベルトで上りながらテーブルトップを観察すると, Rが少ないすなおな形. 高さは小さいけれど,長さは4mくらいで適正そう,あれなら何も考えずに踏み切って,ちょうど ランディングの真ん中,高さがでる上手い踏み切りが出来たらランディングの上の方かな?
しかし,ガラ空きでだ〜れも跳んでない=放物線の参考になる人がいない.
「でもまぁ素直そうな台だし,あのサイズならどうとでもなるワ」などと考えつつ30秒くらいでゲレンデトップに到着.
ゲレンデトップには雪を盛って120〜130cm程度のスタート台が作ってある……もちろん上がります.

スタート台の上からテーブルトップを見ると,やっぱり小さい台がミョーに近くにある(^^;
様子見にかる〜くタックジャンプ
ほんのちょっとだけど久々の浮遊感,ランディング予測地点は真ん中ちょい上あたり.
ぼにょ
バチンッ! ゴロン
冷たー!!

え〜と「ぼにょ」って感触は「衝撃吸収材」ってやつか? 「バチンッ」ってのはビンディングの開放音だね. ヒールピースが両側開放してるよ… 「ゴロン」ってのは,そういう音がしたわけじゃなくて,ヒールピースが 開放して,私が前転したことをあらわす擬態語. で,「冷たー!!」ってのは,前転した時にウェアの襟から 良く冷えたポリマーが首筋に入ってきたことに対する私の感想.

ここで問題なのは「バチンッ」で,なぜヒールピースが開放したのか? ランディングはジャストだった. それは間違い無い. 開放値を確かめる…適性. う〜む,「衝撃吸収材」の上に着地して,そこで板が止まった ようだね,コレは.

アレの上に降りなければいいのか? しかし,相当前跳びしても跳び越せそうにないな〜,逆にあれに届かない ように跳ぶとほとんどテーブル落ちになるしな〜等と考えながらムービングベルトで 再びゲレンデトップへ. まぁダメージ無いし,とりあえずもうイッチョ跳んでみるか.
#う〜む我ながらノータリン

再びスタート台から,……ちゃんと踏み切ってミュートグラブ……さっきより長めの浮遊感,ちょっと気持ち良い. ランディングは「衝撃吸収材」の真ん中か?
ぼにょ
バチンッ! ゴロン
冷たー!!

えっと〜どうしようかな〜,一回,跳ばずにランディングバーンを滑ってみるか?
三度スタート台から,……ほんとーにかる〜く踏み切って,棒ジャンで… ランディングは「衝撃吸収材」の上の端.
ほにょ
よしっ!外れない…ウワッ! バチンッ! ゴロン
ちくしょー!!

滑ってったのに,下の端あたりで波打ってる「衝撃吸収材」に,左のトップが引っかかって,ヒールピースが開放しちまったゼ!
駄目だコリャ

う〜んこれ以上やっても埒あかないな〜,ワンメイクは諦めてハーフパイプに挑戦してみるか…
等と考えながら,又々ムービングベルト.
「じゃっ,テーブルトップの最後に一本」と,またスタート台に上って…
今度は2回のスケーティングでちょっと進入速度を上げて台へ.
両腕をしっかり振り上げてサッツ.  やや前跳びの放物線を感じて,ちょっときつめにタック. 半分回ったところで首を返すとランディングが見える.
「よっし,ジャスト!」
ぼにょ
バチンッ! ゴロ(ドンッ)
ウッ…

バックフリップでジャストランディングして,ビンディングが開放して,前転するってのは全て予定通りなんだけど… なんか予定外に痛い. え〜と痛いのは左の鎖骨辺り. 嫌な予感……
右手のグローブの指先を歯で噛んで,食いちぎるようにしてグローブを外し,ウェアのファスナーを開いて,右手で左の鎖骨を なぞってみる. 内側から外に向けて皮膚の下の鎖骨のカーブをたどっていくと,ある所で鎖骨の感触が突然消える…
アッチャー,完全に折れてる

救急治療編に続く…
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